X80ラインパイプ鋼板の応用

材料特性
X80ラインパイプ鋼は、API 5L規格における高級鋼種であり、最小降伏強度が551MPaに達し、優れた低温靭性と溶接性を兼ね備えています。TMCPプロセスによって実現された微細結晶強化と析出強化により、鋼板は-45℃の環境下でも良好な耐脆性破壊能力を維持します。

タンクへの応用における利点
大型貯蔵タンクの建設において、12〜40mm厚のX80タンク板を採用することで、重量を15〜20％削減し、輸送および設置コストを削減できます。その高強度特性は、特にLNG貯蔵タンクのドーム構造に適しており、変動荷重と低温収縮応力に効果的に耐えることができます。

溶接技術の要点
低水素系溶接材料（CHW-S1など）を組み合わせて使用し、予熱温度を100〜150℃に制御します。ツインワイヤサブマージアーク溶接プロセスを使用する場合、入熱量を35kJ/cm以内に制限する必要があり、溶接後には620℃±15℃の応力除去熱処理を行う必要があります。